2026年4月10日更新

フリーランスの手取り早見表2026 — 年収別シミュレーション完全版

「年収600万あるのに、手元に残るお金がこんなに少ないの?」これはフリーランスになって初めて確定申告をした人の多くが経験する驚きです。会社員と違い、フリーランスは所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金保険料をすべて自分で納める必要があります。売上が上がるほど税負担も増えるため、事前の試算が欠かせません。

この記事では、2026年の税制に基づいてフリーランスの手取り額を年収別に計算した早見表を掲載し、計算の仕組みと節税のポイントを解説します。

フリーランスの手取りを決める4つの税・社会保険料

フリーランスの手取り計算は、次の4種類の負担を売上から差し引いて算出します。

①所得税(国税)

売上から経費と各種控除を引いた「課税所得」に、超過累進税率をかけて計算します。税率は5%〜45%の7段階で、所得が高くなるほど高い税率が適用されます。さらに、復興特別所得税として所得税額の2.1%が上乗せされます(2037年まで)。

②住民税(地方税)

前年の所得を基に、翌年6月から納付が始まります。基本的に課税所得の10%(道府県民税4%+市区町村民税6%)に、均等割(年間約5,000円)が加わります。会社員は給料から天引きされますが、フリーランスは自分で納付書を使って支払います。

③国民健康保険料

市区町村によって計算方法が異なりますが、おおむね前年所得の8〜10%程度が目安です。扶養という概念がないため、家族が多いほど保険料も増えます。年収が上がると保険料も連動して上がりますが、上限(年間約90万円前後)があります。

④国民年金保険料

2026年度の保険料は月額17,510円(年額約210,120円)で、所得に関わらず一律です。ただし前納割引制度を使うと年間で数千円の節約になります。

フリーランスの手取り早見表(2026年版)

以下は、経費率20%・基礎控除48万円・青色申告特別控除65万円・社会保険料控除を適用した場合の概算です。扶養親族なし、東京都在住として試算しています。

年収(売上) 経費(20%) 所得税 住民税 国保・年金 手取り額 手取り率
300万円 60万円 約5万円 約12万円 約49万円 約174万円 58%
400万円 80万円 約10万円 約18万円 約59万円 約233万円 58%
500万円 100万円 約18万円 約24万円 約68万円 約290万円 58%
600万円 120万円 約30万円 約30万円 約77万円 約343万円 57%
700万円 140万円 約45万円 約36万円 約85万円 約394万円 56%
800万円 160万円 約62万円 約43万円 約90万円 約445万円 56%
1,000万円 200万円 約104万円 約56万円 約90万円 約550万円 55%
1,200万円 240万円 約160万円 約69万円 約90万円 約641万円 53%
1,500万円 300万円 約254万円 約90万円 約90万円 約766万円 51%

※上記はあくまで概算です。実際の手取りは経費率・家族構成・各種控除・居住地域によって大きく異なります。正確な試算は下記のシミュレーターをご利用ください。

手取り計算の仕組みを理解する

ステップ1:事業所得を計算する

まず、年収(売上)から必要経費を差し引いて「事業所得」を求めます。

事業所得 = 売上 − 経費

フリーランスが計上できる主な経費には、通信費、交通費、外注費、書籍・セミナー代、仕事用機器の減価償却費、自宅の家賃(按分)などがあります。

ステップ2:課税所得を計算する

事業所得から各種控除を差し引いて「課税所得」を出します。

課税所得 = 事業所得 − 青色申告特別控除(65万円)− 基礎控除(48万円)− 社会保険料控除 − その他控除

青色申告の承認を受けた事業者は、最大65万円の特別控除が受けられます。これだけで所得税・住民税の節税効果は数万〜十数万円になります。

ステップ3:所得税額を計算する

課税所得に超過累進税率を適用します。2026年の税率は以下の通りです。

課税所得 税率 控除額
195万円以下5%0円
195万〜330万円10%97,500円
330万〜695万円20%427,500円
695万〜900万円23%636,000円
900万〜1,800万円33%1,536,000円
1,800万〜4,000万円40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

フリーランスが使える節税ポイント5選

①青色申告を活用する(最大65万円控除)

青色申告の承認を受け、複式簿記で帳簿をつけ、e-Taxで電子申告をすると、最大65万円の特別控除が適用されます。課税所得が65万円減るため、税率20%の場合は13万円の節税になります。フリーランスを始めた最初の年から申請することを強くおすすめします。

②小規模企業共済に加入する(年最大84万円控除)

個人事業主向けの退職金制度です。掛け金は全額所得控除になり、月最大7万円(年84万円)まで積み立てられます。将来の退職金として受け取る際も税制優遇があります。フリーランスが使える最強の節税手段の一つです。

③iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用する

個人事業主はiDeCoで月最大68,000円(年816,000円)まで拠出できます。掛け金の全額が所得控除になるため、高所得のフリーランスほど節税効果は大きくなります。

④経費を漏れなく計上する

フリーランスが見落としがちな経費として、自宅の家賃(按分)、スマートフォン代(按分)、クラウドサービス利用料、名刺・封筒代などがあります。領収書をこまめに管理し、経費計上の漏れをなくすだけで数万円の節税になることもあります。

⑤消費税の免税事業者を維持する(売上1,000万円未満)

前々年の課税売上が1,000万円未満であれば、消費税の納付義務が免除されます。ただし、インボイス制度(適格請求書等保存方式)登録をするかどうかは、取引先の状況を踏まえて慎重に判断しましょう。

会社員との手取り比較

同じ年収600万円でも、会社員とフリーランスでは手取りの計算が大きく異なります。会社員は給与所得控除(約174万円)が自動的に適用されるため、実質的な税負担が低くなるケースがあります。一方、フリーランスは経費の自由度が高い代わりに、社会保険料を全額自己負担する点で不利です。

年収600万の場合、会社員の手取りは約445万円程度が一般的な目安であるのに対し、フリーランスで経費率20%・青色申告ありでも約343万円前後になります。この差は国民健康保険料の負担の大きさが主な原因です。法人化を検討する際の目安として、売上800〜1,000万円超が一般的に言われています。

よくある質問

Q. フリーランス1年目は税金が安いって本当?

住民税と国民健康保険料は「前年の所得」をもとに計算されるため、フリーランスになった1年目は住民税と国保が前職(会社員)の給与をもとに計算されることがあります。前年収入が低かった場合は確かに安くなりますが、2年目以降はフリーランスとしての所得に基づく金額が課されます。1年目に税金が少ないからと生活費を使い込むのは危険です。

Q. 予定納税とは何ですか?

前年の所得税が15万円を超えると、翌年7月と11月に「予定納税」として所得税の前払いが求められます。予定納税の通知が来ても驚かないよう、年収が増えたフリーランスは事前に確認しておきましょう。

Q. 経費率が高ければ高いほどいいの?

経費が多いほど所得税・住民税は下がりますが、実際に使わなかった費用を経費計上すると脱税になります。税務調査で指摘されると追徴課税と加算税が発生するリスクがあります。必要性と業務関連性のある支出のみを経費計上してください。

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まとめ

フリーランスの手取りは、年収の50〜58%程度になることが多く、会社員より低くなる傾向があります。ただし、青色申告特別控除・小規模企業共済・iDeCoなどの節税手段を組み合わせることで、実質的な手取りを大幅に改善できます。

大切なのは「売上が上がるにつれて税負担も増える」という構造を理解し、毎月の税金を積み立てておくことです。年間の税額を把握していれば、資金繰りで慌てることもなくなります。早見表はあくまで目安として参考にし、正確な数字は下記のシミュレーターで確認してみてください。

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